歯ごたえ・歯触りの重要性

“今日は、「歯ごたえ・歯触り」の話について。
日常的に食事を食べている時、若い方は特に、歯の大切さってあまり感じていないのではないかと思います。
でも実は歯は、食事を美味しくいただくために重要なものです。
その一つが「歯ごたえ・歯触り」です。

食べ物のおいしさって、どういう風に感じるのかと聞かれれば、いわゆる舌が感じる味覚ですよね。
でも味覚だけが「おいしさ」を感じているのかといえば、そうではなくて、歯ごたえや歯触りというものも、この「おいしさ」に直結しているものなのです。

例えば歳を取って、いわゆる流動食になったとしましょう。
今、あなたが食べている焼き魚。
流動食になった時、これを単純にミキサーですりつぶしたとします。
味覚だけが「おいしさ」を感じるのであれば、同じようにおいしいと感じるはずなのですが、多くの方が、流動食の方を「おいしくない」と言います。
これは、流動食に歯ごたえや歯触りといったものが欠けてしまうからです。

歯触り・歯ごたえという感覚は、歯根膜の感覚と、噛む筋肉の感覚から生まれています。
まずは、歯の根の周りをおおっている歯根膜。
これが圧力を感じています。
この時、噛む筋肉にかかる力を筋肉が感知し、それが脳に伝わり、脳が歯触り・歯ごたえを感じるのです。”